アメリカ、ニューヨーク大学ロースクールに留学して得た一生物の知識、経験

ニューヨーク留学

わたしは、日本のロースクール(法科大学院)を卒業・修了した後、日本の司法試験を受けずに、アメリカ合衆国のニューヨークにあるニューヨーク大学ロースクールに留学しました。そこではLL.Mプログラムというアメリカ合衆国以外の法曹(弁護士)資格保持者や大学の法学部で法律を学んだ人むけの実務法学専修コースが開講されていました。私はその中の主に契約に関する法律を専攻するLL.Mプログラムに留学しました。

日本から留学する場合の要件は細かくありましたが、おおまかには日本からの留学では大学法学部を卒業しているか、司法研修所での司法修習を終えているか、法科大学院や法学研究科を出ていれば受験可能ということだったので受験することにしました。

ロースクールの授業のために10時間自主学習

苦労するところは多かったですが、まずは入学試験を突破するのが一苦労でした。LSATという適性試験を好成績で突破し、TOEFLという留学用の学術英語試験で120点以上(かなり難しいです、TOEICでいうと860点以上に相当します)の得点を取り、日本の指導教官に推薦状を書いてもらってやっと入学できました。

そして、アメリカにわたってからも、ロースクールでの授業は想像を絶するものでした。授業は日本での一方通行授業ではなく、教授が学生に発問し、それに学生が答えていくというものでした。学生は各国から来た精鋭ばかりで、難しい質問にも答えていましたが、それには1日10時間近くの自主学習が必要でした。睡眠時間も削って勉強していたため体力的にもハードでした。

そして何より日常生活も一苦労です。特にニューヨークは日本に比べて治安が悪いため、夜間は特に注意が必要でした。何か日用品が切れても基本的に外を出歩いては危険なので、切れやすいものはまとめて買ったりもしました。

しかし、得られたものも大きかったです。まずはなによりニューヨーク州の司法試験受験資格(と弁護士資格)でしょう。これを得るために留学したようなものですから、修了し、試験に合格したときの喜びは何者にも耐え難いものでした。1年間必死で勉強してきたので何よりもうれしかったです。

そして、アメリカ法の知識や法的思考力も身につきました。アメリカは移民の国、そして多民族国家なので、日本のような「あ、うん」の関係をトレースした法律ではなく、「いつ何時も法的紛争に備えた」緻密な判例法が蓄積されて法規範を形成しています。

そこがわからなければ、アメリカの企業相手にビジネスをするとき、思わぬところで法的リスクを負担しなければならないことになります。それを事前に防ぐことができるような外国法の思考を身につけることができたのはこの留学のおかげです。

留学する前に比べて法に対する考え方、日本の良さなど価値観に変化が起きた

留学する前の私は、法というものは紛争が起きてどうにもならなかったときの最終手段だという位置づけで把握していて、特に裁判が多いアメリカではその傾向がより強いはずだという認識のもと、より高度な裁判実務を学ぼうとアメリカに留学したわけですが、その中で紛争が起きないようにするという予防法務の重要性を知り、なるべく契約の段階でチェックして裁判にさせないテクニックを学び、紛争の少ない社会を目指そうという社会的正義感に燃えるようになりました。そういう意味では留学が人間的な部分も良い方向に変えてくれたと思います。

最後に、ニューヨーク大学ロースクールに限らずアメリカのロースクール留学に関して、日本のみならず色々な国家の法体系を学びたいという方にはぜひオススメします。確かに留学は入るのも大変で、出るのも大変です。しかし、そこには勉強のつらさを超えた出会いや発見があり、必ず自分を強くしてくれます。また、場合によっては日本のよさを再認識させてくれます。ぜひみなさんも世界の荒波にもまれてみてください。

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